設計で製造原価を下げます。

 

先日、お客様からこんなご依頼を頂きました。

「他社で設計した基板にノイズが出て困っているから、設計をやり直して欲しい。」

快く引き受け、設計をやり直しました。

 

元々パッドオンビアで設計していた基板でしたが弊社で設計をやり直したところ、なんと通常の貫通スルーホール基板で設計ができてしまいました。

 

元々はノイズのご依頼でしたが、思わぬ副産物として基板の単価を下げることに成功しました。

 

パッドオンビアは通常の基板の3倍以上の価格ですので、量産原価が下がりお客様は大変喜ばれていました。設計費なんて簡単にペイができてしまう程、お客様に利益をプレゼントすることができました。

 

ではなぜ、こんなことができたのでしょうか?

 

まず、他社さんが設計した基板を見て驚いたのですが、メーカーのデータシート通りに設計をしていたのです。

 

実は弊社も昔は「部品メーカーはパターン設計者や製造工程の事は考えず、とにかく小さくて売れる製品開発しか行わない。」という悲しい事実を知るまでは、データシートの通りに設計をしていました。

 

しかしたくさんの痛い経験からやめました。

 

パターン設計だけを行っていれば「データシート通りに設計していますし、お客様に承認して頂きましたから、製造で問題が起きても弊社の責任ではありません。」

と、言えますが、製造まで行っている場合は実装が終わって品質が担保できて初めて検収になります。

 

そのため、基板製造、部品実装の工程で不具合が起きないように弊社では設計の段階でアレンジをします。

 

数例を挙げますと、レジストを絞る、パッドを削る、メタルマスクの開口幅を変える、などが簡単な例で、それ以外にも経験から培った弊社独自のノウハウで不具合が起きない設計をします。

 

しかし今回の案件はこのノウハウだけではパッドオンビアのままでした。そこをもう少し「ここをこうすれば」貫通になる、もうちょっとだ、お客様のためにがんばろう、と努力をして貫通にしました。

(最初の見積もり工数より検討にだいぶ時間が掛かり、経営者から見たら赤字ですが、お客様の利益に貢献できましたので時間を掛けてがんばって良かったと思います。)

 

その「ここをこうすれば」も製造を熟知した設計のノウハウがあるから出来る技でして、初めての試みでもどこまでなら安全ということが解っているから挑戦ができます。

 

パッドオンビアやIVHを基板を貫通基板にしたい、基板サイズをもっと小さくしたい、基板の層数を減らしたい、そんなご要望がございましたらご連絡下さい。

 

今後ともよろしくお願い致します。

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