以前、北極のグレートレースを紹介しましたが、さらにそれより北のレース、ユーコン川を北上して北極海まで行くグレートレースがありました。
「一年中風速20mの風が吹き荒れるストームバレーが名所」とかナレーターが言ってるんですけど、20mって台風ですよ!
ベイブリッジに風速10mと表示されると緊張感が走ります。両手でハンドルをしっかり握ってあおられないようにゆっくり走ります。それでも左右に振られて危険。
それが20mだなんてありえない。時速72kmで走っている車の風速と同じです。バイクに乗る人は分かりますよね。72kmで走った時の風圧の凄さ。
さらにマイナス50℃の風なんですよ。さらに雪とか氷が混じってる。
ストームバレー、嵐の谷って・・・
しかも安定して風速20mじゃなくて自然ですから不規則な訳です。時速50~90kmの風が1秒間に何度も風速を変えて襲ってくる。
地表の雪や氷の粒が風で真横に吹いてる。風の方向に体を目いっぱい倒して進む。
みんな体を斜めにして流されながら倒れそうになりながら滑りながら、たまに吹っ飛ばされながら、一歩一歩確かめるように歩く。
それが永遠何十キロも続く。
目も開けられないから、たま~にフードから外を覗き込むように進行方向だけを確認してあとは下を向いて進む。
何が楽しいのか・・・
ストームバレーを抜けると快晴になり、今度は湿度90%の海岸線。
驚いたのが、とんでもない氷点下の気温だからさぞ乾燥してるかと思いきや、湿度90%。なんで?
選手は自分の蒸気ですぐにこんな感じのツララ状態になっちゃいます(笑)
これを取るのもまつ毛が凍っていて痛いんですって。溶かして取ろうとすると手が一瞬でかじかんで凍傷の恐れがある。
こんな状態でマラソンの10倍以上の距離を走るんですよ。野宿しながら。
僕は絶対に嫌ですけど、その先にある何かを見てみたい。やばい、嫌なのに惹かれる。
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