天使のナイフ

2位「天使のナイフ」

 

読み始めてすぐに少年犯罪に対する日本の法律の甘さを批判し、司法の在り方を問う告発小説かなと思います。

「へ~、加害者が守られて被害者がこんな悲惨な日々を送らないといけないのか~」と、その世界に浸っていきます。

そして一転して反対の加害者側の立場にフォーカスされ、そこでもうまくその立場の心境になるように仕向けられます。

その後、両方の立場を踏まえて一つ上の視点でリベラルな発想が生まれます。

そしてまた被害者側、加害者側、一段上に登って両立させた新しい発想のリベラルな視点。

これがストーリーと見事に融合してガンガン気持ちを振られるんです。

推理小説ばかり読んでいると中盤には犯人や動機が見えてくるんですけど、この作品に至っては最後の最後まで分かりませんでした。

幾重にも絡み合った人間模様、何段落ちをつくるつもりなの?というくらい次から次へと出てくる意外な真事実。

文章の操り方も抜群で独特の比喩と言葉の絡め方が絶妙にマッチして「そんな言葉の使いまわしがあったか」と唸ってしまう。

 

こんな些細な、自分の日常でも起こるような小さな小さなきっかけがトリガーとなって思いもしない大きな事件が起こってします臨場感。

そして世間、マスコミ、法律に翻弄される加害者と被害者。中盤以降ドキドキが止まらず車の信号待ちでも読んでしまうくらい「どうなるんだ?なんでなんだ?」と引き込まれました。

 

この作品は江戸川乱歩賞を受賞していてそのことは知っていました。でもあとがきで知ったんですけど江戸川乱歩賞というのは最終の審査員で意見が割れることで有名で、まれに本当に決まらなくて2作品が受賞ということもあるそうです。

でも、この作品は予選の段階からぶっちぎりで、最終審査も審査員全員、満場一致でこの作品に決まったそうで前代未聞とのこと。

本作が著者の処女作なので、とんでもない新星が現れたと物議を醸したそうです。

 

幸運なことに14年も前の作品なので、その後に執筆したたくさんのこの著者の作品を読むことができます。

楽しみ~

 

 

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